はじめに:中国地方の魅力とは?
日本の本州西部に位置する中国地方は、山陰と山陽の2つの地域から構成される多様性に富んだエリアです。瀬戸内海の穏やかな風景から日本海の荒々しい海岸線まで、変化に富んだ自然景観が広がっています。歴史的にも出雲大社をはじめとする重要な文化財が数多く残り、古代日本のロマンを感じさせる場所が点在しています。
この記事では、中国地方5県(鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県)から選りすぐった15の必見スポットを、詳細な情報と共にご紹介します。各スポットの見どころ、アクセス方法、おすすめの季節、周辺の隠れ名所まで徹底解説していきます。
1. 鳥取砂丘(鳥取県)|日本唯一の大砂丘の絶景

壮大な砂の芸術作品
日本で唯一の大砂丘である鳥取砂丘は、東西16km、南北2kmにわたって広がる自然の驚異です。最大高低差は約90mもあり、砂丘の上から見下ろす日本海の眺めは圧巻です。特に「馬の背」と呼ばれる急斜面は、砂丘の象徴的な景観として知られています。
おすすめアクティビティ
- ラクダ乗り体験:砂丘入口ではラクダに乗って記念写真が撮れます(1回1,300円~)
- サンドボード:砂の斜面を滑り降りる爽快な体験(レンタル板500円~)
- 朝日・夕日鑑賞:日の出・日没時の幻想的な光景は必見
ベストシーズンとアクセス
最適な時期:5月~10月(夏季は砂が熱くなるので早朝か夕方がおすすめ)
アクセス:JR鳥取駅から路線バスで約20分「鳥取砂丘」下車すぐ
入場料:無料(駐車場は有料)
周辺のおすすめスポット
- 砂丘美術館:毎年テーマを変えた砂の彫刻を展示
- 砂のこども館:子供向けの砂遊び施設
- 白兎海岸:神話「因幡の白兎」ゆかりの地
2. 出雲大社(島根県)|日本最古の神社の一つ

神話の国・出雲の中心地
「縁結びの神様」として全国的に有名な出雲大社は、日本最古の神社の一つで、その創建は神代にまでさかのぼると言われています。高さ24mにも及ぶ巨大な本殿(国宝)は、神社建築としては異例の規模を誇ります。
見逃せないポイント
- 大社造り:独特の建築様式で国宝に指定
- 神楽殿の大注連縄:長さ13m、重さ4.5トンの日本最大規模
- 御本殿:通常とは反対(西向き)に建てられている
参拝のマナー
出雲大社では一般的な「二礼二拍手一礼」ではなく、「四礼四拍手一礼」という独特の参拝方法があります。これは出雲独自の作法で、より丁寧に神様への敬意を表すものです。
アクセス情報
最適な時期:年間を通じて(特に10月の「神在月」が興味深い)
アクセス:JR出雲市駅からバスで約25分「出雲大社」下車
拝観料:無料(宝物殿は有料)
3. 厳島神社(広島県)|海に浮かぶ世界遺産

ユネスコ世界遺産の絶景
厳島神社は、瀬戸内海に浮かぶ宮島(正式名称:厳島)にある、海に建つ珍しい神社です。満潮時には社殿が海に浮かんでいるように見える光景は、日本三景の一つとして国内外から多くの観光客が訪れます。
見どころハイライト
- 大鳥居:高さ約16mの海上鳥居
- 廻廊:潮の満ち引きで違う表情を見せる
- ライトアップ:日没後の幻想的な雰囲気
宮島の楽しみ方
- もみじ饅頭作り体験:宮島名物のお菓子を手作り
- 鹿との触れ合い:奈良と並び鹿が自由に歩いている
- 牡蠣小屋:旬の時期(冬)は新鮮な牡蠣が楽しめる
アクセス詳細
最適な時期:春・秋(夏は混雑、冬は牡蠣が美味しい)
アクセス:JR広島駅から路面電車で宮島口へ、その後フェリーで10分
拝観料:大人300円/高校生200円/小中学生100円
4. 岡山後楽園(岡山県)|日本三名園の一つ

江戸時代の大名庭園の傑作
岡山後楽園は、金沢の兼六園、水戸の偕楽園と並ぶ「日本三名園」の一つで、1687年に岡山藩主・池田綱政によって造園されました。広さ約13万平方メートルの園内は、池泉回遊式庭園の様式で作られています。
庭園の見どころ
- 唯心山:庭園全体を見渡せる小高い山
- 延養亭:藩主の休憩所として使われた建物
- 沢の池:庭園中央にある最大の池
季節ごとの魅力
- 春:桜とチューリップ
- 夏:緑濃い木々と涼やかな水景
- 秋:紅葉と萩の花
- 冬:雪化粧した珍しい風景
基本情報
開園時間:7:30~18:00(季節により変動)
入園料:大人410円/小中学生無料(2023年現在)
アクセス:JR岡山駅からバスで約15分「後楽園前」下車
5. 萩城下町(山口県)|幕末維新の町並み

歴史が息づく町全体が博物館
萩城下町は、江戸時代から明治維新にかけての面影を色濃く残すエリアで、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。毛利氏の城下町として栄え、吉田松陰や高杉晋作など多くの志士を輩出しました。
必見のスポット
- 萩城跡(指月公園):桜の名所としても有名
- 旧久保田家住宅:町年寄を務めた豪商の屋敷
- 松陰神社:吉田松陰を祀る神社
おすすめ体験
- レンタサイクル:町全体を自転車で巡る
- 萩焼体験:地元の伝統工芸を体験
- 夏みかんスイーツ:特産品を使ったデザート
アクセスガイド
最適な時期:春(桜)・秋(紅葉)
アクセス:JR新山口駅からバスで約1時間
見学料:施設により異なる(共通券あり)
6. 石見銀山(島根県)|世界遺産の鉱山遺跡

アジア初の産業遺産世界遺産
石見銀山は2007年に世界遺産に登録された、16~17世紀に栄えた銀山跡です。日本の銀生産の約3分の1を占めたと言われ、当時の採掘坑道や関連遺跡が良好な状態で保存されています。
見学コースのポイント
- 龍源寺間歩:実際の坑道内部を見学可能
- 大森町:銀山で栄えた町の伝統的建造物
- 羅漢寺五百羅漢:表情豊かな石仏群
ツアー情報
ガイド付きツアー(要予約)がおすすめで、坑道内の温度は年間を通じて約13度と涼しいため、夏場でも快適に見学できます。
基本データ
最適な時期:年間を通じて(夏季は混雑)
アクセス:JR大田市駅からバスで約30分
入場料:龍源寺間歩 大人510円/小中学生250円
7. 秋吉台(山口県)|日本最大のカルスト台地

大自然が造り出した神秘の景観
秋吉台は日本最大のカルスト台地で、広さは約54平方キロメートルにも及びます。無数の石灰岩柱(カレンフェルト)が点在する風景は、まるで異世界に来たかのようです。
主な見どころ
- 秋芳洞:日本有数の大鍾乳洞(別途紹介)
- 展望台:カルスト地形を一望
- 春の山焼き:毎年2月に行われる伝統行事
アクティビティ
- ハイキング:整備された遊歩道を散策
- 星空観察:光害が少なく天体観測に最適
- 化石探し:古代の化石が発見されることも
アクセス情報
最適な時期:春~秋(冬季は寒い)
アクセス:JR新山口駅からバスで約1時間
入場料:無料(駐車場有料)
8. 原爆ドーム(広島県)|世界平和の象徴

負の世界遺産としての意義
原爆ドームは、1945年8月6日の原子爆弾投下によって破壊された広島県産業奨励館の残骸で、1996年にユネスコ世界遺産に登録されました。人類史上初めて使用された核兵器の惨禍を伝える重要な建造物です。
見学のポイント
- 夜間ライトアップ:昼間とは異なる荘厳な雰囲気
- 被爆アオギリ:爆心地近くで生き延びた樹木
- 平和記念資料館:原爆の実相を伝える展示
周辺施設
- 平和記念公園:慰霊碑や記念碑が点在
- 原爆の子の像:佐々木禎子さんに由来
- 広島平和記念資料館:必見の施設
基本情報
アクセス:JR広島駅から路面電車で約15分
見学料:無料(資料館は有料)
最適な時期:年間を通じて
9. 秋芳洞(山口県)|東洋一の大鍾乳洞

地底の大芸術殿
秋吉台の地下に広がる秋芳洞は、全長約10km(公開部分約1km)の日本屈指の大鍾乳洞です。洞内には「百枚皿」や「黄金柱」など、自然が作り出した驚異的な造形物が見られます。
洞窟内の見どころ
- 百枚皿:段々畑のような石灰華段
- 黄金柱:高さ15mの巨大な鍾乳石
- 洞内川:清流が流れる神秘的な空間
見学のアドバイス
洞内は年間を通じて17度前後に保たれているため、夏場でも上着が必要です。また、歩きやすい靴が必須です。
アクセス詳細
最適な時期:年間を通じて
アクセス:JR新山口駅からバスで約1時間
入洞料:大人1,300円/小中学生700円
10. しまなみ海道(広島県・愛媛県)|自転車で渡る島々

サイクリストの聖地
瀬戸内海に架かるしまなみ海道は、大小7つの島を橋で結ぶ全長約70kmのルートで、世界的にも有名なサイクリングコースです。青い海と緑の島々のコントラストが美しく、「世界で最も美しい自転車道」の一つに選ばれました。
おすすめスポット
- 来島海峡展望館:渦潮を見下ろす
- 亀老山展望台:絶景パノラマ
- 伯方島の塩工房:塩作り体験
サイクリング情報
- レンタサイクル:各島で借り返却可能
- 初心者コース:尾道~因島など短めのルート
- 上級者コース:全線制覇に挑戦
基本データ
最適な時期:春・秋(夏季は暑い)
アクセス:JR尾道駅からレンタサイクル
費用:レンタルサイクル1日1,000円~
11. 足立美術館(島根県)|日本一の庭園

庭園そのものが芸術作品
足立美術館は、アメリカの日本庭園専門誌で20年連続日本一に選ばれた庭園で有名な美術館です。横山大観をはじめとする近代日本画のコレクションも充実しています。
見どころハイライト
- 枯山水庭園:四季折々の表情が美しい
- 生の額縁:窓から見える風景が絵画のよう
- 横山大観コレクション:重要文化財を含む
庭園の四季
- 春:新緑とツツジ
- 夏:深緑とサルスベリ
- 秋:紅葉の競演
- 冬:雪景色の風情
基本情報
開館時間:9:00~17:30(季節により変動)
入館料:大人2,300円/大学生1,800円/小中学生1,000円
アクセス:JR安来駅から無料シャトルバスで約20分
12. 錦帯橋(山口県)|日本三名橋の一つ

木造アーチ橋の傑作
錦帯橋は、1673年に建造された全長193mの木造アーチ橋で、日本三名橋(他は東京の日本橋、長崎の眼鏡橋)の一つに数えられます。5連のアーチが美しい曲線を描き、春の桜や秋の紅葉とのコントラストが素晴らしいです。
橋の特徴
- 釘を使わない構造:伝統的な木組み技術
- 夜間ライトアップ:幻想的な雰囲気
- 岩国城ロープウェイ:セットで楽しむ
周辺の楽しみ方
- 鵜飼い観覧:夏季の伝統漁法
- 岩国城:山上の復元天守
- 白蛇観覧所:珍しい白ヘビ
アクセスガイド
最適な時期:春・秋
アクセス:JR岩国駅からバスで約20分
渡橋料:大人310円/小中学生150円
13. 三朝温泉(鳥取県)|ラドン含有の療養泉

世界有数のラドン温泉
三朝温泉は、ラドンを含有する世界でも珍しい温泉で、医療効果が認められている療養泉です。1300年以上の歴史を持ち、「三度朝を迎えると病が治る」という伝説からその名がつきました。
温泉の特徴
- 高濃度ラドン:自然放射線の健康効果
- 共同浴場:地元民も利用する素朴な湯
- 飲泉:飲用も可能な温泉
おすすめ宿泊施設
- 旅館大橋:名物の「にわとり料理」が人気
- 三朝ロイヤルホテル:高級感ある温泉リゾート
- 木屋旅館:創業300年の老舗
基本データ
最適な時期:年間を通じて
アクセス:JR倉吉駅からバスで約30分
入浴料:共同浴場500円~
14. 倉敷美観地区(岡山県)|白壁の町並み

江戸情緒あふれる商都
倉敷美観地区は、江戸時代に天領として栄えたエリアで、白壁の蔵や商家が整然と並ぶ風景が特徴です。岡山県を代表する観光地で、年間を通じて多くの観光客が訪れます。
必見スポット
- 大原美術館:日本最初の西洋美術館
- 倉敷アイビースクエア:旧紡績工場をリノベ
- 阿智神社:町を見下ろすパワースポット
おすすめ体験
- 倉敷川遊覧船:水路から町並みを楽しむ
- デニム工房:地場産業のジーンズ作り
- くらしき桃子:白桃スイーツが人気
アクセス情報
最適な時期:春・秋
アクセス:JR倉敷駅から徒歩約10分
見学料:施設により異なる
15. 角島大橋(山口県)|日本一美しい橋

エメラルドグリーンの海に架かる橋
角島大橋は、全長1,780mの美しい橋で、透明度の高いエメラルドグリーンの海に架かる姿は、CMやドラマの撮影地としてもよく使われます。特に夕陽に映える橋の風景は絶景です。
見どころポイント
- 展望スポット:橋を一望できるビューポイント
- 角島灯台:日本有数の美しさを誇る
- 白い砂浜:透明度の高い海水浴場
ドライブ情報
- 海沿いのドライブコース:北長門海岸国定公園
- レンタサイクル:島内をサイクリング
- 新鮮な海産物:カキやウニが名物
基本情報
最適な時期:5月~10月
アクセス:JR特牛駅からタクシーで約10分
通行料:無料
中国地方旅行のベストプラン
おすすめモデルコース
- 歴史探訪コース(3泊4日)
- 1日目:出雲大社~松江
- 2日目:石見銀山~萩
- 3日目:錦帯橋~岩国
- 4日目:広島市内
- 自然満喫コース(2泊3日)
- 1日目:鳥取砂丘~大山
- 2日目:秋吉台~秋芳洞
- 3日目:角島大橋
交通のアドバイス
中国地方は公共交通機関よりもレンタカーでの移動が便利なエリアが多いです。特に山陰地方はバスの本数が少ないので注意が必要です。JRの「山陽パス」「山陰パス」を活用するのもおすすめです。
中国地方のグルメ特集

絶対食べたい名物料理
- 広島風お好み焼き:そばが入ったボリューム満点
- 出雲そば:割子そばという独特の食べ方
- 岡山デミカツ:デミグラスソースのとんかつ
- ふぐ料理(下関):ふぐの本場
- 松葉ガニ(鳥取):冬の味覚の王様
お土産ベスト3
- もみじ饅頭(広島):宮島の定番
- 吉備団子(岡山):桃太郎伝説ゆかり
- 石見せんべい(島根):地元で愛される煎餅
まとめ:中国地方の多彩な魅力
中国地方は、日本海と瀬戸内海という二つの海に挟まれたことで、多様な文化と自然が育まれた地域です。古代からの歴史が息づく出雲、幕末維新の舞台となった萩、世界平和を訴える広島、そして壮大な自然の鳥取砂丘や秋吉台など、見どころが満載です。
この記事で紹介した15のスポットは、中国地方の魅力を凝縮したものばかりです。ぜひ実際に足を運び、その土地の空気を感じ、歴史に触れ、美味しい料理を味わってください。きっと忘れられない旅行体験になることでしょう。
中国地方への旅行を計画される際は、季節ごとの特徴を考慮して、ゆとりのあるスケジュールを組むことをおすすめします。各県の魅力を深く知るために、1県につき2~3日かけて巡るのも良いでしょう。